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水産業の人材不足と外国人材の受入れ|特定技能・育成就労制度で押さえたい実務ポイント
漁業・養殖業・水産加工の現場では、乗組員や作業員の高齢化と担い手不足が続いています。「求人を出しても応募が集まらない」「採用しても定着しない」という声は、経営者や採用担当者から多く聞かれます。
こうした状況を受け、国も若手の新規就業支援と並行して、外国人材の受入環境づくりを進めています。水産庁の水産白書(令和7年度)でも、人材育成施策の一つとして外国人材の受入れ・確保が取り上げられています。
この記事では、白書に示された人材育成施策の概要を整理したうえで、特定技能制度と2027年4月に運用開始予定の育成就労制度を活用する際の実務ポイントを解説します。
※本記事は、水産庁「水産白書」(令和7年度)の公表内容を参考に、編集部が整理・解説したものです。制度は改正される可能性があるため、最新情報は出入国在留管理庁・農林水産省・水産庁等の公的発表をご確認ください。
1. 水産業の人材確保:国が進める4つの取組
水産白書では、水産業の人材育成について、大きく次の4つの切り口で施策が整理されています。
| 区分 | 取組の概要 |
|---|---|
| 新規漁業者の確保・育成 | 就業フェアや水産高校でのガイダンス、インターンシップ等で若者に漁業の魅力を伝え、就業につなげる。新規就業者と受入先とのマッチング改善による地域定着、免許・資格の取得や経営スキルの学び直しの支援 |
| 水産教育 | 水産系の高校・大学・水産大学校で、現場実習を重視した教育を実施。スマート水産業に向けた新技術の普及も推進 |
| 海技士等の確保・育成 | 乗組員不足と年齢構成の偏りを背景に、若手海技士の確保や、乗船履歴を早期に取得できる履修コースの運営を支援。Wi-Fi環境や居住環境の改善、労働負担の軽減も推進 |
| 外国人材の受入れ・確保 | 特定技能制度や育成就労制度を活用した円滑な受入れ、受入環境の整備、キャリアアップできる就労環境の検討 |
国内人材の確保策が先に位置づけられている点がポイントです。外国人材は、生産性向上や国内人材確保に取り組んでもなお不足する労働力を補う手段として示されています。
2. 白書が示す外国人材受入れの方向性
外国人材の受入れについて、白書では主に次の点が示されています。
2-1. 「選ばれる漁業」を目指した受入環境の整備
白書では、日本の若者と同様に、外国人材にとっても日本の漁業を魅力あるものにしていくことが重要だとされています。具体的には、生活支援や相談対応の充実など、外国人材にとって満足度の高い受入環境の整備が進められています。
賃金だけでなく、住環境・生活サポート・相談体制を含めた総合的な環境づくりが、採用や定着の差につながる傾向があります。
2-2. キャリアアップしながら働ける環境の検討
外国人材を安定的かつ長期的に確保するため、次のような環境のあり方が、関係団体や関係府省とともに検討されています。
- 漁村で幅広く水産関連業務に従事し、技能を高められること
- 漁業活動に必要な資格を取得し、現場で活かせること
- 将来を見据えて、キャリアアップしながら就労できること
事業者側も、「数年働いてもらう」という発想から、「技能を高めながら長く活躍してもらう」という発想へ切り替えていくことが求められます。
2-3. 日本語学習・受入れマニュアルの活用支援
適正な受入れと地域への定着を促すため、外国人材受入マニュアルの活用、日本語指導者の養成、外国人材の日本語学習の取組支援も行われています。漁船上の指示や安全に関わるコミュニケーションは、日本語力が現場の安全性と作業効率に直結します。
3. 特定技能と育成就労制度の違いと活用の考え方
3-1. 制度の位置づけ
| 項目 | 特定技能 | 育成就労(2027年4月運用開始予定) |
|---|---|---|
| 目的 | 人手不足分野での即戦力人材の受入れ | 人材の育成と確保(特定技能への移行を見据えた制度) |
| 対象人材 | 一定の技能・日本語能力を試験等で確認した人材 | 未経験者を含め、育成を前提に受け入れる人材 |
| 位置づけ | 現行制度として運用中 | 技能実習に代わる新制度として準備が進行中 |
育成就労制度の詳細な運用ルールは、今後の公表内容によって変わる可能性があります。導入を検討する場合は、出入国在留管理庁等の最新発表を必ず確認してください。
3-2. 現時点で即戦力を求めるなら特定技能
水産分野では、特定技能「漁業」分野(漁業・養殖業)や、「飲食料品製造業」分野(水産加工など)での受入れが想定されます。すでに一定の技能と日本語力を確認された人材を受け入れられるため、現場の人手不足に早く対応したい事業者には有力な選択肢です。
分野ごとに受入れ要件が異なるため、次の点は事前に確認しておきましょう。
- 分野別の協議会への加入など、受入機関に求められる要件
- 雇用形態(直接雇用か、派遣が認められるか)
- 報酬水準や労働条件が日本人と同等以上であること
- 支援計画(生活・業務面のサポート)の実施体制
制度の詳細は変更されることがあるため、申請前に必ず公的機関の最新情報をご確認ください。


4. 水産分野で外国人材の定着を高める実務ポイント
白書の方向性を踏まえ、現場で取り組みやすいポイントを整理します。定着率の向上を保証するものではありませんが、離職防止につながる傾向があるとされる取組です。
4-1. 労働条件の明確化と書面での明示
- 賃金、労働時間、休日、業務内容を母国語併記や平易な日本語で書面にする
- 漁期による労働時間の変動や、船上・水産加工場での作業内容を事前に具体的に説明する
4-2. 安全教育と日本語支援
- 安全に関わる用語や合図を、図や写真を使って共有する
- 日本語学習の機会を確保する(国の支援策や外国人材受入マニュアルの活用も有効)
4-3. 生活面の支援
- 住居、通信環境(Wi-Fi等)、買い物・通院などの生活サポートを整える
- 困りごとを相談できる窓口と担当者を決めておく
4-4. キャリアパスの提示
- 取得できる資格や、任せられる業務の広がりを具体的に示す
- 技能向上が評価や待遇に反映される仕組みを用意する
まとめ:即戦力外国人材の採用と定着なら「スキルディッシュ」がおすすめ
水産業の人材確保は、国内の若手確保策と、外国人材の受入環境整備を両輪で進める段階に入っています。2027年4月には育成就労制度の運用開始も予定されており、制度の違いを理解したうえで、自社に合った受入れ方法を早めに検討することが重要です。
特定技能は、現場で即戦力として期待できる人材を受け入れる有力な手段です。ただし、受入れ後の生活支援や定着フォローまで含めて準備しなければ、期待した成果につながらない場合があります。
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参考: 水産庁「水産白書」(令和7年度)人材育成に関する記述

