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水産業の担い手不足と外国人材活用の最新動向|特定技能・育成就労で押さえるべきポイント
「求人を出しても漁師や加工スタッフが集まらない」「若手が定着せず、現場の高齢化が止まらない」。漁業や水産加工業の経営者、採用担当者の間で、こうした悩みは年々深刻になっています。
水産庁の水産白書(令和7年度)は、人口減少や産業構造の変化を背景に、担い手不足が幅広い分野で深刻化していると指摘しています。地方では若年層の流出と高齢化が進み、地域産業に必要な労働力の確保が難しくなっているため、水産業でも次世代の担い手確保が喫緊の課題とされています。
本記事では、水産庁の公表情報をもとに、次の内容を整理します。
- 水産業の人材確保をめぐる国内の動きと支援策
- 漁業・水産加工業における特定技能の仕組みと、受入れ時の注意点
- 技能実習から育成就労への制度移行(2027年4月予定)で、現場が備えるべきこと
※制度は改定される可能性があります。最新の情報は出入国在留管理庁・農林水産省・水産庁などの公的発表をご確認ください。
1. 水産業の人材確保の現状|国内人材の動きと支援策
他産業からの就業が約7割を占める
水産庁によると、新規漁業就業者のうち、他の産業から漁業に就く人はおおむね7割を占めると推計されています。自然の中で働くライフスタイルを求めるなど、仕事観の多様化から、都市部出身者にも漁業への関心が広がっています。
こうした潜在的な就業希望者を、後継者不足に悩む経営体や地域につなぐことが、水産物の安定供給だけでなく、漁村の活性化の観点でも重要とされています。
水産庁による段階別の支援
水産庁は、漁業未経験者でも就業・定着できるよう、新規就業者の段階に応じた支援を行っています。
| 段階 | 主な支援内容 |
|---|---|
| 就業前 | 漁業就業相談会の開催、インターンシップの受入れ支援 |
| 学ぶ段階 | 漁業学校で学ぶ人への資金の交付 |
| 就業後 | 漁業現場でのOJT方式による長期研修の支援 |
国の支援に加えて、地方公共団体も地域の実情に応じた支援を行っています。
女性の新規就業、水産高校との連携
近年は女性の新規就業も増えています。女性漁業者は依然として少数派ですが、担い手不足の解消に加え、新しい視点や価値観をもたらし、地域活性化に貢献していると水産庁は説明しています。
若年層の確保に向けては、水産庁と関係業界が連携し、水産高校生向けの「漁業ガイダンス」を各地で実施しています。令和7年6月に静岡県焼津市、7月に青森県八戸市で「漁師の仕事!船と漁業を知る授業」が開かれ、水産高校と地域の漁業者が協力する体制づくりにつながっています。
2. 人材定着のヒント|複合的な漁業と若手登用の事例
水産庁は、資源変動や気候変動の影響が大きくなるなか、特定魚種に依存した経営はリスクが高まっているとしています。そのため、複数の魚種や漁法を組み合わせる「複合的な漁業」への転換や、養殖との兼業などの柔軟な経営改善が求められています。こうした取組は、安定収益の確保だけでなく、多様な働き方や担い手確保にもつながると位置づけられています。
池田水産株式会社の事例
白書では、さんま棒受網漁業と遠洋まぐろはえ縄漁業を営む池田水産株式会社の取組が紹介されています。
- 資源が比較的安定し価格水準も高いミナミマグロ操業を収益の柱に据える
- サンマ漁期は日本へ帰港し、1航海の日数を約170日に短縮する操業モデルを構築
- 漁期(8~12月)以外は遠洋まぐろはえ縄漁業を行い、漁船を通年稼働させて乗組員の安定雇用を図る
- 船頭に40代の若手を抜擢するなど、世代交代を進める
従来は期間雇用が中心で、雇用期間外はアルバイトや家業に従事するなど不安定な状況がありました。同社の取組は、若い乗組員が年齢の近い船頭と働くことでキャリアを描きやすくなり、意欲向上や担い手確保につながる可能性があると考えられています(効果を保証するものではありません)。
外国人材を受け入れる場合も、通年で働ける環境やキャリアの見通しを示すことが、定着を考えるうえで重要といえます。
3. 漁業・水産加工業における特定技能の仕組み
特定技能制度とは
特定技能制度は、少子高齢化による労働力不足への対応として、平成30(2018)年に設けられました。人材確保が困難な特定の分野に限り、専門性・技能を備えた即戦力の外国人を雇用できる制度です。漁業分野(漁業・養殖業)と、水産加工業を含む飲食料品製造業分野でも、受入れは年々増加しています。
主な要件は、各分野の技能試験・日本語試験への合格、または関連職種での技能実習2号の良好な修了などとされています。
協議会への加入が義務
特定技能外国人を雇用する場合は、分野ごとの協議会への加入が義務づけられています。
| 分野 | 協議会 | 設置機関 |
|---|---|---|
| 漁業(漁業・養殖業) | 漁業特定技能協議会 | 水産庁 |
| 水産加工業(飲食料品製造業分野) | 食品産業特定技能協議会 | 農林水産省 |
漁業特定技能協議会では、遵守事項として次のような内容が取り決められています。
- 外国人材への安全指導・教育の実施
- 漁船1隻当たりの乗船人数の制限
- 引き抜き防止
関連業務への従事
現行制度では、漁業区分で漁獲物の選別・仕分、飲食料品製造業分野で原料の調達・受入れといった関連業務に、付随的に従事することも可能とされています。水揚げや市場業務など、短時間・不規則な作業が多い領域では、副業や短時間雇用とあわせて外国人材の活用も検討が進められています。

4. 技能実習から育成就労へ|2027年4月の制度移行に備える
制度の位置づけの違い
| 制度 | 主な目的 | 現状 |
|---|---|---|
| 特定技能 | 人手不足分野での即戦力人材の確保 | 運用中 |
| 技能実習 | 開発途上国等への技能移転 | 発展的に解消される予定 |
| 育成就労 | 人材育成と人材確保 | 令和9(2027)年4月の実施に向け検討中 |
令和6(2024)年6月に関連法が公布され、制度目的と実態の乖離や外国人の権利保護などの課題が指摘された技能実習制度は、育成就労制度へ移行することになりました。
水産分野で押さえたい変更点
- 令和8(2026)年1月に、漁業分野をはじめ各分野の分野別運用方針が閣議決定されました。
- 飲食料品製造業分野の運用方針では、同分野に含まれていた水産加工業の区分が切り分けられることとなりました。
- 水産庁は、水産加工業で受け入れる外国人材の専門人材への育成と、水産業への寄与が期待されるとしています。
- 水産業における育成就労外国人の受入れや運用のあり方は、現在も検討が続いています。
技能実習制度では、漁船漁業9作業・養殖業1作業、水産加工食品製造の各職種などで受入れが行われてきました。今後は現在の受入れ状況と制度移行の時期を踏まえ、特定技能と育成就労をどう組み合わせて人材計画を立てるかが課題になります。
遠洋漁業のマルシップ方式
遠洋漁業では、日本人乗組員を一定の条件で乗船させたうえで、外国人を乗組員として配乗させるマルシップ方式をとる船もあります。令和7(2025)年12月末時点で、3,302人の外国人乗組員がこの方式で我が国の漁船に乗り組んでいます。
5. 採用担当者が今から準備しておきたいこと
- 自社の受入れ区分を確認する:漁業か水産加工業かによって、所属する協議会や運用方針が異なります。
- 協議会への加入・遵守事項を把握する:安全指導、乗船人数、引き抜き防止などのルールを整理します。
- 通年雇用・キャリアパスを設計する:繁閑差を踏まえた勤務設計や、段階的な役割の付与を検討します。
- 育成就労への移行時期を見据える:現在の技能実習生の受入れ状況と、2027年4月以降の計画を整理します。
- 公的情報を定期的に確認する:運用方針や詳細は今後も更新される可能性があります。
まとめ:即戦力外国人材の採用と定着なら「スキルディッシュ」がおすすめ
水産業の担い手不足は、国内人材の確保策だけで解決できる段階を超えつつあります。国内人材の育成支援と並行して、特定技能による外国人材の受入れが広がり、2027年4月には育成就労制度への移行も予定されています。制度が大きく動く時期だからこそ、自社の現場に合う人材像と受入れ計画を早めに整理しておくことが重要です。
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💡 スキルディッシュをおすすめする3つの理由
- 現場理解・日本語能力を備えた「特定技能」即戦力人材が充実
現場での業務を理解し、一定の日本語能力を備えた特定技能人材の採用を検討できます。 - 食品・外食・農林水産などの業界特有の労務・現場条件に精通
繁閑差のある勤務や、業界特有の現場条件を踏まえた受入れ相談ができます。 - ビザ申請・行政手続きから採用後の定着フォローまでワンストップ支援
提携する有資格者・許可事業者と連携し、手続きから定着フォローまで一貫した支援体制を案内します。
※在留資格(ビザ)の申請手続きおよび職業紹介は、法令に基づき許可・届出を受けた事業者・有資格者が実施します。ビザの可否は出入国在留管理庁等の審査機関の判断によるものであり、許可を保証するものではありません。
「自社は特定技能と育成就労のどちらを軸にすべきか」「受入れ準備で何から始めればよいか」といったご相談は、スキルディッシュの問い合わせ窓口から受け付けています。採用計画や制度移行への備えに、お気軽にご活用ください。
【出典】 水産庁「令和7年度 水産白書 トピックス4 水産業の担い手の確保」(https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/r07_h/trend/1/t1_t_4.html)

