外国人雇用の「不法就労助長罪」が2027年4月に厳罰化へ|企業が今すぐ見直すべき在留資格確認と対策

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外国人材の採用を進める食品製造・外食・農林水産の現場では、「在留カードは見たはずなのに、本当に問題ないのか」「アルバイトの勤務時間をどこまで管理すべきか」といった不安の声が増えています。

2024年(令和6年)に成立した改正入管法により、不法就労助長罪の法定刑が引き上げられることが決まりました。施行は2027年(令和9年)4月1日とされており、「知らなかった」では済まない過失も処罰対象となる点に注意が必要です。

本記事では、次の内容を解説します。

  • 厳罰化の内容(罰則の引き上げ幅と両罰規定)
  • 企業が意図せず違反しやすい「範囲外就労」の具体例
  • 「過失」が問われる理由と、在留カード確認の実務
  • 摘発された場合に想定される二次的リスク
  • 今から整えておきたい社内の確認フロー

※本記事は2026年10月時点で報じられている情報および公的機関の発表をもとに作成しています。制度の詳細や施行時期は変更される可能性があるため、最新の法改正情報については出入国在留管理庁等の公的発表をご確認ください。


 

目次

1. 不法就労助長罪の厳罰化|何がどう変わるのか

罰則の上限が引き上げられる

不法就労助長罪(入管法第73条の2)の法定刑は、2027年4月1日の施行以降、次のとおり引き上げられます。

項目現行施行後(2027年4月1日〜)
拘禁刑3年以下5年以下
罰金300万円以下500万円以下
併科ありあり(悪質な場合は拘禁刑と罰金の双方が科されることがある)

この引き上げは、育成就労制度の創設などを盛り込んだ改正入管法の一環として決まったものです。

法人にも罰金が科される「両罰規定」

不法就労助長罪には両罰規定(入管法第76条の2)が適用されます。そのため、採用担当者や店舗責任者といった行為者個人だけでなく、雇用主である法人にも最高500万円の罰金刑が科される可能性があります。

「現場の担当者が確認を怠った」という事情があっても、会社としての責任が問われうる点を押さえておきましょう。

報道によれば、入管庁関係者は、不法就労の背景に事業者側の確認不足や安易な人手不足の穴埋めがあるとの認識を示し、悪質なブローカーだけでなく、不適正な雇用を続ける企業側の刑事責任もより重く問う方針とされています。


2. 意図せず違反しやすい「範囲外就労」に注意

不法就労となる3つの類型

不法就労として問題になるケースは、主に次の3類型に分けられます。

  1. 不法滞在・オーバーステイ者の就労(在留期限切れの人や密入国者の雇用)
  2. 無許可者の就労(短期滞在者や、資格外活動許可のない留学生の雇用)
  3. 認められた範囲を超えた就労(在留資格と異なる職種への従事、時間制限の超過)

このうち、企業が最も意図せず違反に陥りやすいのが3つ目の「範囲外就労」です。

現場で起こりがちな具体例

ケース問題点
「技術・人文知識・国際業務」で採用した人を、人手不足を理由に工場のライン作業や飲食店のホール業務に恒常的に従事させる在留資格で認められた活動の範囲外となり、不法就労助長罪に該当しうる
資格外活動許可を持つ留学生や家族滞在者のアルバイトを、他社での勤務を把握しないまま働かせ、週28時間を超えさせる複数の勤務先の時間を合算して週28時間以内という上限があり、超過すれば事業者も処罰対象となるリスクがある

特定技能で気をつけたい点

特定技能の外国人材についても、受け入れ分野ごとに従事できる業務の範囲が定められています。食品製造業分野・外食業分野・農業分野・漁業分野などでは、日々の現場運用の中で、関連業務の範囲を逸脱していないかを定期的に確認することが大切です。


3. 「知らなかった」は通用しない|過失も処罰対象に

入管法が定める「過失」の考え方

「不法就労者だとは知らなかった」「本人が働けると言っていた」という説明は、法的には通用しないとされています。入管法第73条の2第2項では、不法就労の事実を知らなかったとしても、在留カードの確認を怠るなどの「過失」がある場合には処罰を免れない旨が定められています。

偽造在留カードへの対応

近年は精巧な偽造在留カードが出回っているとされ、目視やカラーコピーの確認だけでは過失を問われる可能性が高まっています。

入管庁は、次のような確認方法を推奨しています。

  • 在留カード等読み取りアプリケーション(無料):スマートフォン等でカード内のICチップ情報を読み取り、真正性を確認する
  • 在留カード等番号失効情報照会(Webサイト):番号が失効していないかを事前に確認する

確認の「記録」を残すことが防衛策になる

採用時には、原本の提示を求め、ICチップの真正性を照合した記録を残すことが重要です。確認の経緯を記録しておくことは、「必要な確認を尽くした」ことを示す材料になると考えられます(ただし、個別の事案でどう判断されるかは、最終的に捜査・司法の判断によります)。

採用時の確認チェックリスト

  • 在留カード原本の提示を受けた(コピーのみで済ませていない)
  • 在留期間・在留資格の種類を確認した
  • 「就労制限の有無」欄で、従事予定の業務が認められるか確認した
  • 資格外活動許可が必要な場合、許可の有無と範囲を確認した
  • ICチップの読み取りアプリまたは失効情報照会で真正性を確認した
  • 確認日・方法・担当者を記録し、保管している
  • 在留期限をカレンダー等で管理し、更新時に再確認する体制がある

4. 摘発された場合の二次被害|刑事罰にとどまらない影響

不法就労助長罪で摘発された場合、刑事罰に加えて、事業経営そのものに影響が及ぶ可能性があります。報道されている内容を整理すると、次のとおりです。

事業許可への影響(調整中とされる内容)

入管庁は関係省庁と連携し、建設業、労働者派遣事業、飲食業などの事業許可基準における欠格事由に、不法就労助長罪での処罰歴を加える方向で調整を進めていると伝えられています。実現すれば、許可の更新や新規取得に支障が出るおそれがあります。

外国人材の受け入れ停止

特定技能外国人や育成就労生を受け入れている企業では、違反の発覚から5年間、新たな受け入れが停止されるとされています。

社会的信用への影響

  • 実名報道による信用の低下
  • 官公庁の入札参加資格の停止
  • 大手取引先からのコンプライアンス違反を理由とした契約解除

食品・外食業界では、取引先や消費者からの信頼がそのまま事業の基盤です。罰金額以上に、信用面の損失が大きくなりうる点を認識しておきましょう。

※欠格事由への追加など、一部の内容は調整段階の情報です。最新の動向は、出入国在留管理庁・各省庁の公的発表をご確認ください。


5. 施行までに整えたい社内体制|5つのアクション

施行日(2027年4月1日)までに、次の対応を進めておくことをおすすめします。

① 採用時の確認フローを標準化する

確認項目・確認方法・記録様式を統一し、担当者が変わっても同じ水準で確認できる仕組みにします。

② 在留カードのICチップ確認を運用に組み込む

目視だけに頼らず、読み取りアプリや失効情報照会を「必須の手順」として定めます。

③ 就業範囲を現場に周知する

在留資格ごとに従事できる業務を、人事担当者だけでなく現場の店舗責任者・工場長・班長にも共有します。人手不足時の「ちょっとした応援」が範囲外就労につながるケースがあるためです。

④ 資格外活動許可者の勤務時間を管理する

留学生などの週28時間以内の上限について、本人への申告確認やシフト管理を通じて、他社での勤務も含めた把握に努めます。

⑤ 在留期限の更新管理を徹底する

在留期限の失念による「期限切れ就労」を防ぐため、期限の数か月前から更新状況を確認する運用を整えます。

外部の専門家・事業者の活用も検討を

自社だけで体制構築が難しい場合は、在留資格の手続きについては行政書士などの有資格者、労務面については社会保険労務士、人材の受け入れについては有料職業紹介の許可を受けた事業者など、それぞれの専門家に相談することも選択肢になります。


まとめ:即戦力外国人材の採用と定着なら「スキルディッシュ」がおすすめ

2027年4月1日に施行予定の不法就労助長罪の厳罰化により、罰則の上限は拘禁刑5年・罰金500万円へと引き上げられます。過失も処罰対象となり、法人にも罰金が科されうるため、「確認したつもり」では十分とはいえません。特に、在留資格で認められた範囲を超えて働かせてしまう「範囲外就労」は、悪意がなくても起こりやすい点に注意が必要です。

だからこそ、採用時の確認フローの整備と、在留資格に合った業務への配置を、制度が切り替わる前に見直しておくことが大切です。適正な在留資格を持つ人材を、ルールに沿って受け入れることが、結果として企業を守ることにつながります。

💡 スキルディッシュをおすすめする3つの理由

食品業界特化型 外国人材総合支援サービス「スキルディッシュ」は、次のような点で、コンプライアンスを意識した外国人材の受け入れを検討する企業にとって有力な選択肢となります。

  1. 現場理解・日本語能力を備えた「特定技能」即戦力人材が充実
    食品・外食の現場で求められる基礎知識や日本語能力を備えた特定技能人材を中心に、受け入れの選択肢が広がります。在留資格の範囲に合った業務での活躍が期待できます。
  2. 食品・外食・農林水産などの業界特有の労務・現場条件に精通
    業界ごとに異なる従事可能業務の範囲や現場の運用実態を踏まえた相談が可能です。範囲外就労のリスクを意識した配置・業務設計を考える際の支えとなります。
  3. ビザ申請・行政手続きから採用後の定着フォローまでワンストップ支援
    在留資格の手続きから、採用後のフォローまでを一貫して相談できる体制を通じて、確認・管理業務の負担軽減が期待できます。

※在留資格(ビザ)の申請手続きおよび職業紹介は、法令に基づき許可・届出を受けた事業者・有資格者が実施します。ビザの可否は出入国在留管理庁等の審査機関の判断によるものであり、許可を保証するものではありません。

2027年4月の施行を見据え、「自社の確認体制は十分か」「特定技能や育成就労への移行をどう進めるか」とお悩みの採用担当者・経営者の方は、ぜひお気軽にスキルディッシュへご相談ください。採用計画や制度移行に関するご相談をお待ちしています。

※本記事の内容は2026年10月時点の報道および公的情報に基づくものです。最新の法改正情報・施行の詳細については、出入国在留管理庁・厚生労働省等の公的発表をご確認ください。

 

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フード採用編集部
食品・飲食・農林水産業界に特化した外国人採用・労務管理の専門メディア編集部。特定技能や育成就労制度の最新動向をはじめ、面接・労働条件説明の実務ノウハウ、助成金活用、入社後の定着支援まで、現場の課題解決に直結する情報を発信。「分かりやすく、実務で使える」をモットーに、企業の人手不足解消と外国人材の活躍をサポートしています。

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