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特定技能1号の新規受け入れ停止後の一手|外食企業が進めるべき「特定技能2号」移行の実務ポイント
「求人を出せば応募が集まる」在留資格として、外食企業の採用計画を支えてきた特定技能1号。その新規受け入れが一時停止となり、採用計画の見直しを迫られている人事・経営層の方は少なくありません。
「特定技能2号への移行が重要なのは分かるが、何から着手すればよいのか分からない」。こうした声が、いま現場で増えています。
本記事では、外食分野の受け入れ停止の概要を整理したうえで、2号移行で企業がつまずきやすい3つの壁(推薦基準・育成設計・定着の仕組み)と、その対処の考え方を解説します。2026年7月に開催された、外国人材を自社で多数受け入れてきた外食企業グループ関連会社と人材支援企業の共催セミナーの内容も参考にしています。
この記事でわかること
- 外食分野の特定技能1号が新規受け入れ停止となった背景
- 特定技能1号と2号の違い、2号に求められる水準
- 2号移行で企業が整えるべき社内ルールと育成ステップ
- 自社で「育てる」か、すでに2号を持つ人材を「迎える」かの考え方
1. 外食分野の特定技能1号はなぜ新規受け入れ停止になったのか
2026年3月27日、農林水産省と出入国在留管理庁は、特定技能1号(外食分野)の新規受け入れを4月13日以降、一時停止すると発表しました。
背景は受け入れ上限への到達です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象分野 | 外食業分野(特定技能1号) |
| 受け入れ上限 | 5万人 |
| 2026年2月末時点の受け入れ数 | 約4.6万人(上限の約92%) |
| 措置 | 4月13日以降、新規受け入れを一時停止 |
※再開の時期や条件、運用の詳細は変更される可能性があります。最新情報は出入国在留管理庁・農林水産省の公的発表をご確認ください。
この措置で、外食企業にとって「1号の新規採用を前提にした採用計画」は大きな見直しが必要になりました。そこで注目されているのが、すでに在籍している1号人材を2号へ引き上げる、あるいは2号を保有する人材を迎え入れるという選択肢です。

2. 特定技能2号とは?1号との違いを整理
特定技能2号は2023年6月に始まった在留資格で、1号を修了した人材が次のステップとして目指すものです。
1号と2号の主な違い
| 比較項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 最長5年(通算) | 上限なし(更新により継続可能) |
| 家族帯同 | 原則不可 | 配偶者・子の帯同が可能 |
| 求められる水準 | 一定の技能・日本語能力 | 複数の従業員の指導・監督、店舗管理などを担える技能水準 |
2号は、長期にわたって自社で活躍してもらえる点が大きなメリットです。一方で、現場の責任者クラスの技能が求められます。「1号を5年やれば自然に2号へ進める」わけではなく、企業側の計画的な育成が前提となります。
なお、2027年4月に予定されている育成就労制度への移行など、外国人材受け入れの制度全体も見直しが進んでいます。最新の制度内容は、出入国在留管理庁等の公的発表で必ずご確認ください。
3. 2号移行の壁① 「推薦基準」が曖昧なままだと不信感を招く
セミナーでは、外食企業グループが自社で経験した課題が共有されました。
3-1. 店舗マネージャー任せの推薦で起きたこと
2号制度の開始当初、試験の申し込みは自由形式の推薦文で行う仕組みで、推薦の基準も明確ではありませんでした。同グループでは、推薦の判断を各店舗のマネージャーに任せていたといいます。
その結果、業務の習熟度より人柄の良さといった定性面での推薦が増えました。同じ店舗の中でも「推薦された人」と「されなかった人」が生まれ、スタッフの間に不公平感や不信感が広がりました。
3-2. 改善策は「見える化」と「定期的な意思確認」
そこで同グループが取り組んだのは、主に次の2点です。
- 推薦を店舗任せにせず、2号に必要な項目をリスト化する。 一度作れば全店舗に横展開できます。
- 半年に一度の面談で、2号取得の意思を必ず確認する。 あわせて、推薦に必要な業務水準を数値・行動の両面から明文化して本人に伝えます。
象徴的なのが、入社1日目から31日目までに身につけることを細かく文字にした「スキルアップシート」です。当初は外国人スタッフ向けでしたが、好評だったため多言語版も作成し、現在は日本人の新卒・アルバイトにも展開されているとのことです。
日本人同士であれば会話の中で暗黙に共有できる期待値も、外国人材には伝わりにくい場合があります。基準を「文字にして渡す」ことが、公平性と納得感につながります。
実務チェックポイント
- 2号に必要な業務・スキルを項目ごとにリスト化しているか
- 推薦の可否を判断する基準が、店舗ごとにばらついていないか
- 本人に基準を母語または平易な日本語・英語で伝えているか
4. 2号移行の壁② 「実務経験2年」の誤解と育成ステップの設計
4-1. 「入社2年」ではなく「指導・管理の実務経験2年」
2号試験の受験には、国内の飲食店での指導者・管理者としての実務経験が2年以上必要とされています。ここで注意したいのは、「入社して2年」ではなく「指導・管理の実務を2年経験していること」という点です。この点は現場でも誤解が起きやすいと、セミナーで指摘されました。
4-2. 逆算で考える育成ステップ(一例)
| 時期 | 目安となる内容 |
|---|---|
| 1年目 | 通常業務を身につける期間 |
| 2〜3年目 | 指導・管理業務を覚え、実践を積む期間 |
| 4年目 | 実務経験の要件を満たし、2号試験を受験 |
※上記はセミナーで紹介された企業事例に基づく一例です。受験要件の詳細や証明書類は、必ず出入国在留管理庁・農林水産省等の公式情報でご確認ください。
4-3. 試験の難しさも織り込んでおく
セミナーでは、2号試験にはふりがなが付かないこと、衛生管理や食中毒対応に加えて、売上や粗利の計算問題も出題されることが紹介されました。日本語学習の支援に加え、店舗運営の数字に触れる機会を日常業務の中に設けることが重要です。
5. 2号移行の壁③ 「役割の付与」と「定着の仕組み」
5-1. 役割を与えなければ、挑戦の機会そのものがない
同グループでは、育成した人材に次のような役割を明確に割り当てているそうです。
- 焼き場の責任者
- 日本料理部門の前菜責任者
- パティシエ責任者
- バー部門の仕込み・発注責任者
- ランチタイムの時間帯責任者
食材発注、衛生管理、後輩指導などを任せなければ、指導・管理の実務経験は積めません。「会社が役割を用意すること」が、2号挑戦の前提になります。
5-2. 2号活用で期待できるメリット
- 5年の上限がなくなり、長期的な戦力の確保が期待できる
- 中堅層・現場リーダーの育成につながる
- 外国人材のキャリアアップが、他の従業員のモチベーション向上にも波及する傾向がある
5-3. 定着のカギは「この会社で何に挑戦できるか」を一緒に考える面談
「2号を取るためだけに会社に残る」状態では、取得後の離職リスクが残ります。取得後にどのような挑戦ができるのかを、定期面談で一緒に描くことが定着の一助になるとされています。もちろん、こうした取り組みで離職を完全に防げるわけではありません。
6. 「育てる」か「迎える」か|自社に合った2号人材の確保方法
特定技能2号は転職が可能な在留資格です。そのため、2号人材の確保には次の2つの道があります。
| 選択肢 | 向いている企業 | 留意点 |
|---|---|---|
| 育てる(1号から自社で育成) | 中長期の人材計画があり、教育体制を整えられる企業 | 役割付与・基準整備・面談に数年単位で取り組む必要がある |
| 迎える(すでに2号を保有する人材を採用) | 育成に時間をかけにくく、早期に中核人材を確保したい企業 | 待遇・評価制度・キャリアパスが比較される。転職可能な在留資格のため、選ばれる環境づくりが重要 |
実際に、2号特化型の合同説明会では、参加企業から「原価率や人事評価制度など、経営視点の質問が多く、2号人材のポテンシャルを感じた」という声があったと報告されています。2号人材は、待遇だけでなく、キャリアや評価の仕組みも見ています。
7. 外食企業が今すぐ始めたい「2号移行」準備チェックリスト
- 在籍する特定技能1号人材の入社時期・在留期限を一覧化した
- 2号に必要な業務内容・スキルを項目化した
- 推薦基準を文書化し、全店舗で統一した
- 半年に一度の面談で、キャリア意向を確認する仕組みがある
- 指導・管理の役割(責任者ポジション)を計画的に割り当てている
- 試験対策(日本語・衛生管理・数字の学習支援)の体制がある
- 「育てる」「迎える」のどちらを軸にするか方針を決めた
- 最新の制度情報を、公的機関の発表で定期的に確認している
まとめ:即戦力外国人材の採用と定着なら「スキルディッシュ」がおすすめ
特定技能1号の新規受け入れ停止は、外食企業にとって採用戦略を見直す転換点です。これからは、1号人材を採用して終わりにするのではなく、2号を見据えて育てる、あるいは2号人材を迎え入れる視点が重要になります。
推薦基準の明文化、指導・管理の役割付与、定期面談による意思確認など、2号移行に必要な準備は多岐にわたります。外部の専門的な支援も活用しながら、自社に合った進め方を早めに検討することをおすすめします。
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食品・外食の現場を理解し、一定の日本語能力を備えた特定技能人材との出会いが期待できます。 - 食品・外食・農林水産などの業界特有の労務・現場条件に精通
シフト、衛生管理、繁閑差など、業界特有の事情を踏まえた相談ができます。 - ビザ申請・行政手続きから採用後の定着フォローまでワンストップ支援
在留資格の手続きから採用後のフォローまで、窓口をまとめて相談できます。
※在留資格(ビザ)の申請手続きおよび職業紹介は、法令に基づき許可・届出を受けた事業者・有資格者が実施します。ビザの可否は出入国在留管理庁等の審査機関の判断によるものであり、許可を保証するものではありません。
「1号の新規採用が止まり、今後の採用計画に不安がある」「自社の1号人材を2号につなげたいが、進め方が分からない」という企業様は、ぜひ一度、スキルディッシュにご相談ください。自社の状況に合わせた採用計画と制度対応の整理から、お手伝いいたします。
※本記事は2026年10月時点の公的機関の発表および公開情報に基づいて作成しています。制度は変更される可能性があるため、最新情報は出入国在留管理庁・農林水産省・厚生労働省等の公的発表をご確認ください。

