※当サイト「食品業界の外国人採用ナビ」は情報提供および専門事業者のご紹介を目的としたメディアであり、行政書士・弁護士等の有資格機関ではありません。在留資格(ビザ)申請の代理・書類作成・取次および職業紹介そのものは行わず、実際の可否判断は出入国在留管理庁等の審査機関に帰属します。提携先からの掲載料・送客手数料(定額)等により運営されておりますが、契約や手続きは受入企業様と提携事業者間の直接契約となります。詳細は利用規約をご確認ください。
外国人材の管理職登用は食品・外食業界に必要か?モスバーガーの事例から考える定着・育成の実務ポイント
「外国人材を採用したいが、すぐに辞めてしまうのではないか」
「現場リーダーに育てたいが、日本人従業員との関係が心配」
食品製造・外食・農林水産業の現場では、人手不足を背景に外国人材の受け入れが進む一方、**「採用した後、どうキャリアを描いてもらうか」**が新たな課題になっています。
2026年3月には、モスバーガーがベトナム人材を店長・幹部候補として育成する取り組みが報じられ、SNS上で賛否が分かれました。この議論は、外国人材を「補助的な労働力」としてだけ見るのか、「将来の中核人材」として見るのかという、業界全体に共通する問いを浮き彫りにしています。
本記事では、東洋経済オンラインの報道(2026年3月27日公開)なども参考にしながら、次の内容を整理します。
- 外国人材の採用目的が「人手不足対策」だけではなくなっている背景
- キャリアパスの有無が定着に与える影響
- 外国人管理職・リーダー登用で押さえたい在留資格上の注意点
- 日本人従業員との摩擦を防ぐ現場の工夫
1. 外国人材の「幹部候補育成」はなぜ議論を呼んだのか
「部下としては受け入れられるが、上司には抵抗がある」という意識のギャップ
報道によると、モスバーガーのベトナム人材育成に対しては、SNS上で「衛生意識の違いが不安」「日本人従業員を差し置くのはおかしい」といった反発の声がある一方、一部には不買を呼びかける動きもあったとされています。
こうした反応の根底には、「外国人は日本人の下で働く存在」という無意識の前提があると指摘されています。外国人材を補助的な戦力として受け入れることには理解があっても、「上に立つ存在」となると心理的な抵抗が生じやすい、という意識のギャップです。
食品・外食業界が直面している現実
食品製造や外食の現場では、すでに外国人材が欠かせない存在になっています。人数が増えるほど、日本人の上司だけで言語・文化の違いに対応するマネジメントには限界が生じやすくなります。外国人リーダーの登用は、一部の先進企業だけの話ではなく、現場運営上の現実的な選択肢になりつつあります。
2. 外国人材の採用目的は「人手不足対策」だけではない
公的調査にみる採用理由の変化
報道では、厚生労働省の調査結果として、外国人材を雇用する理由で「労働力不足の解消・緩和」が最多である一方、「日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待して」とする回答も5割を超えると紹介されています。
| 採用理由の傾向 | 内容 |
|---|---|
| 労働力不足の解消・緩和 | 最も多い理由(従来からの主目的) |
| 日本人と同等以上の活躍への期待 | 5割超(能力重視の採用が広がっている) |
| 国際化・多様性の向上 | 事業所の多様性を高める目的 |
| 日本人にはない知識・技術の活用 | 専門性・視点への期待 |
※数値は報道で紹介された調査内容にもとづきます。詳細は厚生労働省の公表資料をご確認ください。
海外展開を見据えた人材育成という視点
モスバーガーも、人手不足の解消に加え、アジア進出時の基幹人材の育成を狙いとして挙げていると報じられています。外食・食品企業にとって、海外展開や多言語対応を担える人材を社内で育てることは、中長期の成長戦略の一部になり得ます。
3. キャリアパスの有無が「定着」を左右する
離職しやすい職場に共通する傾向
報道では、高度外国人材が早期に離職する企業には、次のような共通点があると指摘されています。
- 外国人材のキャリアパスが見えない
- 外国人には昇進の機会が少ない
- 「日本人だけが上に行く」構造が固定化している
成長意欲の高い人ほど、将来像を描けない職場から離れやすくなる傾向があると考えられます。
管理職登用がもたらす可能性
ある製造業の人事担当者の事例として、外国人管理職の登用後に、現場でのやり取りの負担が減り、離職率が下がったという声も紹介されています。外国人管理職が後輩外国人材のロールモデルとなり、「この会社でキャリアアップできる」というメッセージが伝わりやすくなる効果も期待できます。
また、パーソル総合研究所の調査として、アジア出身の人材は日本人より「管理職になりたい」と考える割合が高いとも紹介されています。
※上記は個別企業の事例であり、管理職登用によって離職防止の効果を保証するものではありません。自社の業種・規模・職場環境に応じた検討が必要です。
4. 管理職・リーダー登用で押さえたい在留資格の注意点
外国人材の登用を考える際、最も注意すべきなのが在留資格ごとの制限です。報道でも、在留資格によって働ける期間や仕事内容に制限があり、すべての外国人に管理職への道が開かれているわけではないと指摘されています。
特定技能1号と2号の違い(概要)
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 通算上限5年 | 更新により長期就労が可能 |
| 家族の帯同 | 原則不可 | 要件を満たせば可能 |
| 求められる技能水準 | 相当程度の知識・経験 | 熟練した技能 |
| 食品関連分野での対象 | 飲食料品製造業・外食業・農業・漁業など | 飲食料品製造業・外食業・農業・漁業なども対象 |
特定技能2号への移行には、分野ごとに定められた試験や実務経験などの要件があります。「リーダー候補に育てる」ことと「在留資格上その業務に従事できる」ことは別問題であるため、登用前に在留資格上の就労範囲を必ず確認してください。
なお、2027年4月には技能実習制度に代わる育成就労制度への移行が予定されています。制度の詳細や運用は今後変更される可能性があるため、最新情報は出入国在留管理庁・厚生労働省等の公的発表をご確認ください。

5. 日本人従業員との摩擦を防ぐ現場の工夫
「外国人上司」で起きやすいすれ違い
報道では、食品工場で外国人の上司のもとで働くパート従業員の声として、次のような受け止め方が紹介されています。
- 当初は戸惑いがあったが、信頼関係ができて指示に従えるようになった
- 一方で、職場には不満を持つ人もおり、年齢層の高い層ほど戸惑いが大きい印象がある
- 年上への話し方や、日本語特有のあいまいな表現の読み取りで、認識のずれが起きることがある
本質的な課題は、個人の能力ではなく、「言わなくても伝わる」「あいまいな表現で察する」という日本の職場の前提そのものにある、と指摘されています。
実務で取り入れたい5つのポイント
- 登用基準を明文化する:国籍に関係なく、評価基準・昇進要件を社内で共有する
- 指示は具体的に伝える:数値・期限・手順を明示し、あいまい表現を減らす
- 日本人従業員への事前説明:登用の目的や役割分担を丁寧に伝え、不安を放置しない
- 衛生・品質管理ルールの標準化:マニュアル、写真・動画、多言語表記を活用して、誰が管理しても同じ水準を保てるようにする
- 双方向の研修:外国人リーダーには日本の職場コミュニケーション、日本人従業員には異文化理解を提供する
特に食品業界では、衛生管理への不安の声が出やすいため、属人的な「感覚」ではなく、ルールと教育の仕組みで担保することが重要です。
6. 「将来の上司になるかもしれない人」を受け入れるという発想
報道では、外国人雇用協議会の理事による見方として、組織内の外国人従業員の比率が高まれば、管理職に登用する企業も自然に増えていくとの指摘が紹介されています。国の推計でも、将来的に外国人が人口の1割に近づく可能性が示されているとのことです。
外国人材を受け入れることは、単に労働力を補うことではなく、将来、チームを率いる人材を迎えることでもあります。採用の段階から、次のような視点で計画を立てておくことが大切です。
- 採用時:どの在留資格・分野で、どのような役割を担ってもらうか
- 入社1〜2年目:日本語・業務スキル・衛生管理の習得支援
- 3年目以降:リーダー・指導役への段階的な登用と、在留資格の見通しの確認
まとめ:即戦力外国人材の採用と定着なら「スキルディッシュ」がおすすめ
モスバーガーの事例をめぐる議論は、外国人材を「補助的な労働力」としてだけでなく、「企業の成長を担う人材」としてどう位置づけるかを、食品・外食業界に問いかけています。キャリアパスが見えない職場では定着が難しくなる傾向がある一方、登用には在留資格上の制限や、日本人従業員との関係づくりといった課題もあります。
採用の入口から、定着・育成までを見据えた計画づくりが、これからの外国人材活用では重要になるでしょう。
食品・外食・農林水産業の外国人材採用をご検討の際は、食品業界特化型 外国人材総合支援サービス「スキルディッシュ」の活用もご検討ください。
💡 スキルディッシュをおすすめする3つの理由
- 現場理解・日本語能力を備えた「特定技能」即戦力人材が充実
食品製造・外食・農林水産などの現場で働くイメージを持ち、一定の日本語能力を備えた特定技能人材との出会いが期待できます。 - 食品・外食・農林水産などの業界特有の労務・現場条件に精通
衛生管理、シフト、繁閑差など、業界特有の事情を理解したうえで、採用や受け入れ体制づくりの相談ができます。 - ビザ申請・行政手続きから採用後の定着フォローまでワンストップ支援
在留資格の手続きから、採用後の定着に向けたフォローまで、一貫したサポートを受けられます。
※在留資格(ビザ)の申請手続きおよび職業紹介は、法令に基づき許可・届出を受けた事業者・有資格者が実施します。ビザの可否は出入国在留管理庁等の審査機関の判断によるものであり、許可を保証するものではありません。
「外国人材の採用計画を立てたい」「育成就労制度への移行に向けて準備を始めたい」「将来のリーダー候補をどう育てるか相談したい」という企業様は、ぜひお気軽にスキルディッシュまでお問い合わせください。貴社の状況に合わせた採用・定着の進め方をご案内します。
※最新の法改正・制度情報については、出入国在留管理庁・厚生労働省等の公的発表をご確認ください。

