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【外食業】飲食店専用・外国人雇用契約書の書き方|トラブルを防ぐ特約条項と注意点
「日本人スタッフと同じ雇用契約書を使っても大丈夫だろうか?」
「母国語に翻訳して交わす必要があるのだろうか?」
外国人スタッフを採用する際、現場で最もトラブルになりやすいのが「契約内容に関する認識のズレ・相互理解の不足」です。
特に飲食店の現場では、シフトの変動や、調理・接客以外の「清掃・準備・後片付け」といった付帯業務について、後から「そんな仕事を聞いていない」「契約内容と違う」と主張されてしまうケースが少なくありません。
本記事では、飲食店の経営者や店舗責任者・事務担当者様がすぐに実践できる「外国人専用の雇用契約書作成のポイント」と、法的リスクから店舗を守るための「3つの特約条項」について徹底解説します。
1. 外国人スタッフ専用の契約書が必要な「3つの理由」
日本人向けの標準的な雇用契約書(労働条件通知書)だけでは、外国人雇用特有の法的要件やリスクを網羅することはできません。
① 「本人理解言語(母国語・英語等)」での作成・翻訳の義務
特定技能外国人を受け入れる場合、入管法において「本人が充分に理解できる言語(母国語や英語など)」で労働条件を提示・契約することが義務付けられています。留学生アルバイトの場合も、言語の壁によるトラブルを未然に防ぐため「日本語 + 母国語(または英語)」の2ヶ国語併記が強く推奨されます。
② 在留資格(ビザ)の記載内容との厳格な整合性
入管へ提出する「在留資格変更(新規)申請書類」に記載する給与体系・業務内容と、実際に結ぶ雇用契約書の記載内容に齟齬(ズレ)があると、ビザの発行が不許可になるばかりか、行政指導の対象となります。
③ 日本特有の「暗黙の了解」の排除
「まかない代の控除(天引き)」「開店準備・閉店清掃」「制服のクリーニング費負担」など、日本の飲食店では当然とされている商習慣も、書面に明記して事前に合意を得ない限り、外国人スタッフからは「不当な給与天引き」「契約外の労働」と誤解される原因になります。
2. 飲食店が雇用契約書に必ず入れるべき「3つの特約条項」
勤務開始後のトラブルを防止するため、外国人雇用に特化した以下の「3つの特約」を契約書に記載しておくことが極めて有効です。
① 在留資格(ビザ)の失効に関する自動終了条項
【条項例】
「乙(労働者)の在留資格の更新が不許可となった場合、または在留期限を超過した場合は、本契約は特段の手続きを要せず当然に終了するものとする。」
不法滞在・不法就労状態となったスタッフを雇用し続けるリスクを回避し、店舗側を法的トラブルから守るための不可欠なリスクヘッジ条項です。
② 業務範囲の明確化(特定技能・外食業の場合)
【条項例】
「業務内容:外食業全般(調理、接客、店舗管理)に加え、これらに付随する開店・閉店準備、店内清掃、洗い場作業等の付随業務全般を含むものとする。」
「自分はホール(または調理)担当だから清掃はしない」といった主張を防ぎ、飲食店運営に必要なマルチタスク(付随業務)に正式に同意してもらうための条項です。
③ 賃金控除(まかない・寮費等)に関する具体的合意
【条項例】
「食事手当(まかない費)として月額〇〇円、社宅費(寮費)として月額〇〇円を、毎月の賃金から控除することに同意する。」
控除を行う場合、労働基準法に基づく「賃金控除に関する労使協定」を締結した上で、個別の雇用契約書内でも具体的な控除金額を明記し、本人から明確な同意のサインをもらう必要があります。
3. 契約締結時に「証拠」を正しく残す3つのポイント
後から「聞いていなかった」「サインしていない」と言われないためには、契約締結までのプロセスを適切に記録しておくことが重要です。
- 全ページへの割印(契印)の徹底: 複数ページに渡る契約書の場合、途中のページ差し替えや改ざんを防ぐため、全ページの綴じ目に両者の割印をもらいましょう。
- 本人への原本(写し)交付と受領確認: 締結後、原本(または写し)を必ず本人に手渡し、「雇用契約書を受領しました」という受領サインを店舗保管用書類にもらっておきます。
- 図解や多言語での丁寧な事前説明: 社会保険料の控除、源泉徴収、残業計算などの複雑な概念は、母国語の翻訳文や図解を用いて口頭でも丁寧に説明する機会を設けましょう。
4. まとめ:正確な雇用契約書が「信頼関係」構築の第一歩
言語や文化の違いがあるからこそ、曖昧な口頭約束で雇用を始めるのは、将来的な早期離職や労務トラブルの重大なリスクとなります。
法的に正しく、かつお互いが納得できる明確な雇用契約書を提示することは、スタッフに「この店舗は自分を大切に扱ってくれる」という安心感を与え、長期就労への高いモチベーションにもつながります。
自社の契約書フォーマットを今一度見直し、リスクのないクリーンな労務管理体制を整えていきましょう。




