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【2026年版】技能実習の認定取消は累計754社|食品・外食・農林水産業の受け入れ企業が今すぐ見直すべきコンプライアンスと特定技能への備え
「うちは問題ないはず」と思っていても、実習生の労務管理や実習内容の運用を一度も点検していない企業は少なくありません。
2026年10月1日に東京商工リサーチ(TSR)が公表した調査によると、2017年11月の現行制度施行以降、技能実習の認定取消処分を受けて社名が公表された企業は累計754社に達しました。2026年度も8月までに50社が公表され、前年度と同水準のペースで推移しています。
この記事では、調査結果から見えてくる傾向を整理し、食品製造・外食・農林水産業の経営者や採用担当者が押さえるべきポイントを解説します。
この記事でわかること
- 認定取消の件数・業種・地域・企業規模の傾向
- 認定取消を受けた場合に企業が負う重い影響
- 育成就労制度(2027年4月移行予定)でも引き継がれる見通しのルール
- 自社で今すぐできるコンプライアンス点検の視点
- 特定技能を検討する際の考え方
1. 技能実習の「認定取消」とは?企業に及ぶ3つの影響
技能実習制度では、受け入れ企業(実習実施者)が作成した実習計画を国の認可法人が認定する仕組みがあります。法令違反や不正があった場合、この認定が取り消され、社名が公表されることがあります。
TSRの調査によると、認定取消を受けた企業には次のような影響が生じます。
- 実習生の転籍が必要になる:受け入れていた実習生は、他の受け入れ先へ移らなければなりません。
- 5年間は新たな実習生を受け入れられない:取消日から5年間、受け入れが停止されます。
- 社名公表による信用の低下:取引先や金融機関、求職者からの評価に影響するおそれがあります。
実習生に現場を支えてもらっている企業にとって、これは事業の継続に直結する問題です。
2. 調査結果のポイント|累計754社、2026年度も高水準
件数の推移
- 2017年11月の現行制度施行以降、認定取消で社名が公表された企業は累計754社
- 年度別では2021年度の177社が最多で、2024年度を除き、年間100社以上が公表されている
- 2024年度の大幅減少は、1社による大規模な処分の影響とみられる
- 2026年度は8月までに50社が公表され、2025年度と同水準のペース
企業規模は問わない
個人事業主などを除く660社のうち、売上高が判明した552社を分析すると、次の傾向がありました。
| 売上高区分 | 傾向 |
|---|---|
| 1億円未満〜5億円未満 | 合計で300社(約54%)と半数超 |
| 1〜5億円未満 | 185社(33.5%)で最多 |
| 100億円以上 | 38社(6.8%)あり、大企業も例外ではない |
認定取消は、企業規模に関係なく起こりうると言えます。また、取消後に休廃業・解散状態となった企業が24社確認されています。TSRも因果関係は不明としつつ、受け入れ停止や信用低下が事業継続に影響した可能性を示唆しています。
3. 業種別・地域別の傾向|食品関連業種も無関係ではない
業種別の傾向
認定取消企業660社の産業別内訳は以下のとおりです。
| 産業 | 社数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 製造業 | 255社 | 38.6% |
| 建設業 | 214社 | 32.4% |
| サービス業他 | 82社 | 12.4% |
| 卸売業 | 45社 | 6.8% |
| 農・林・漁・鉱業 | 31社 | 4.7% |
| 小売業 | 19社 | 2.8% |
製造業と建設業で全体の約7割を占めます。労働集約型で人手不足が深刻な業種ほど実習生の受け入れが多く、その分、取消事例も多い傾向にあります。
細かい業種別では、とび工事業や土木工事業といった建設関連、衣服裁縫修理業などのアパレル関連が上位に並びました。このほか、野菜作農業や水産食料品製造業といった食品・一次産業に関わる業種も上位に入っています。食品・外食・農林水産分野の企業にとって、決して他人事ではありません。
地域別の傾向
都道府県別では、愛知県が46社で最多でした。以下、大阪府42社、広島県41社、愛媛県37社、東京都28社と続きます。
地区別では関東(134社)、中部(124社)、近畿(90社)が多い一方、四国(85社)や中国(82社)でも目立ちます。TSRは、実習実施者の多い都道府県が認定取消企業でも上位に入る傾向があると分析しています。大都市圏だけでなく、地方の食品加工・農業地域でも注意が必要です。
4. 認定取消につながるリスクの背景
実習生の受け入れ人数は、2025年末時点で約45万人にのぼります(法務省統計)。技能実習制度は本来、開発途上国への技能移転を通じた国際貢献が目的ですが、現実には人手不足の現場を支える労働力として機能している面があります。
その一方で、TSRの調査は、受け入れ企業側の問題として次のような事例が繰り返し表面化していると指摘しています。
- 実習生を低賃金労働者として扱う雇用体系
- 長時間労働や賃金の未払いといった法令違反
- 虐待などの人権侵害
- 実習計画と異なる作業をさせる運用
特に「実習計画と実際の作業内容のずれ」は、食品製造や外食の現場で起こりやすいポイントです。繁忙期に実習計画にない工程や業務を任せてしまう、といった運用には注意が必要です。
5. 育成就労制度でも「ペナルティ」は引き継がれる見通し
技能実習制度は、2027年4月以降、育成就労制度へ移行する予定です。目的は国際貢献から、人材育成と国内の人材確保へと明確に変わります。
ただしTSRは、認定取消に関する社名公表やペナルティなどのルールは、原則として継承されると指摘しています。制度が変わっても、コンプライアンスの重要性は変わりません。むしろ人材確保の色彩が強まる分、受け入れ企業にはより一層の法令順守が求められるでしょう。
※制度の詳細や運用は今後変更される可能性があります。最新の情報は出入国在留管理庁・厚生労働省などの公的発表をご確認ください。

6. 今すぐ実践したい|受け入れ企業のコンプライアンス点検チェックリスト
認定取消のリスクを下げるには、日々の運用を定期的に見直すことが重要です。以下は、点検の視点の一例です。
労務管理
- 賃金が契約どおり、全額・期日どおりに支払われているか
- 時間外労働・休日労働の管理が適切か(36協定の範囲内か)
- 労働条件通知書を、実習生が理解できる言語で明示しているか
- 賃金控除(寮費・食費など)の内容を説明し、同意を得ているか
実習内容の運用
- 実習計画に沿った作業内容になっているか
- 繁忙期に計画外の工程や業務へ配置していないか
- 技能を教える指導員や、生活面の責任者が機能しているか
人権・生活面
- ハラスメントや暴言・暴力がない職場環境か
- 相談しやすい窓口を設け、実習生に周知しているか
- 住環境や生活サポートが適切か
記録・体制
- 出勤簿・賃金台帳・指導記録を適切に保管しているか
- 監理団体や関係機関との連絡体制が機能しているか
※上記は一般的な点検の視点であり、法令順守を保証するものではありません。個別の判断が必要な場合は、社会保険労務士や行政書士などの専門家へご相談ください。
7. 人材確保の選択肢として「特定技能」を検討するときの視点
食品製造業、外食業、農業、漁業など、特定技能の対象分野で人材確保を考える企業にとって、特定技能は有力な選択肢の一つです。技能実習が「技能移転」を主な目的とするのに対し、特定技能は一定の技能と日本語能力を持つ人材を受け入れ、現場の人手不足に対応する制度です。
ただし、特定技能でも次の点は押さえておく必要があります。
- 受け入れ機関にも法令順守の義務がある:報酬額や労働条件、支援体制などについて基準があり、不正があれば受け入れ停止などの措置の対象となり得ます。
- 支援体制の整備が必要:生活・就労面の支援を、自社または登録支援機関が担う必要があります。
- 分野ごとの要件を確認する:分野別の協議会への加入など、業種ごとの条件があります。
どの制度を選ぶにせよ、「採用して終わり」ではなく、適正な労務管理と定着支援をセットで考えることが、トラブルの予防につながる傾向があります。


まとめ:即戦力外国人材の採用と定着なら「スキルディッシュ」がおすすめ
TSRの調査では、認定取消企業は累計754社に達し、2026年度も同水準のペースで公表が続いています。企業規模や業種を問わず起こりうる問題であり、食品・農林水産関連の業種も上位に入っています。育成就労制度への移行後も、社名公表などのルールは原則として引き継がれる見通しです。
人手不足への対応を急ぐあまり、受け入れ体制やコンプライアンスが後回しになると、事業継続に関わるリスクを抱えかねません。制度の理解、適正な労務管理、定着を見据えた支援体制の3つを整えることが重要です。
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※在留資格(ビザ)の申請手続きおよび職業紹介は、法令に基づき許可・届出を受けた事業者・有資格者が実施します。ビザの可否は出入国在留管理庁等の審査機関の判断によるものであり、許可を保証するものではありません。
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出典・参考
- 東京商工リサーチ TSRデータインサイト「外国人『技能実習制度』認定取消しは累計754社 製造業と建設業で7割占める、ワーストは愛知県の46社」(2026年10月1日)
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1203282_1527.html - 出入国在留管理庁・厚生労働省・外国人技能実習機構の公表情報
※本記事の制度解説は2026年10月時点の情報に基づきます。法改正・運用変更の可能性があるため、最新情報は出入国在留管理庁等の公的発表をご確認ください。

