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特定技能外国人の受け入れ事例|水産加工で技能実習から特定技能へ移行した人材の活躍と定着の工夫
「技能実習生が修了を迎えるが、できれば引き続き自社で活躍してほしい」
「特定技能に移行した人材に、どこまで仕事を任せられるのだろうか」
食品製造業の採用担当者や経営者の方から、こうした声をよく耳にします。とくに水産加工業は、季節ごとに扱う魚種や加工方法が変わるため機械化が難しく、人手不足の影響を受けやすい業種です。
この記事では、農林水産省が公開している受け入れ事例をもとに、宮城県気仙沼市の水産加工会社が、技能実習から特定技能1号へ移行したインドネシア人材をどのように育成・定着につなげているかを整理します。事例から読み取れる実務上のポイントや、2027年4月に移行が予定されている育成就労制度を見据えた考え方もあわせて解説します。
この記事でわかること
- 水産加工業における特定技能外国人の受け入れ事例の概要
- 技能実習から特定技能へ移行した人材に任せる業務の例
- 日本語学習支援や地域交流など、定着に向けたフォロー体制の工夫
- 事例から学べる、採用担当者向けの実践ポイント
※本記事で紹介する事例は、農林水産省の公開情報(事例掲載時点)に基づきます。受け入れ人数や制度の運用は現在と異なる場合があります。
1. 事例の概要:株式会社阿部長商店 気仙沼食品(飲食料品製造業)
まずは、事例企業の基本情報を確認しましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 企業名 | 株式会社阿部長商店 気仙沼食品 |
| 業種 | 飲食料品製造業(特定技能の分野) |
| 事業内容 | 鮮魚の冷凍冷蔵、水産加工品の製造 |
| 従業員数 | 114名(掲載時点) |
| 特定技能外国人の受け入れ数 | 3名(インドネシア国籍)(掲載時点) |
| 併せて雇用している技能実習生 | 38名(ほとんどがインドネシア国籍)(掲載時点) |
| 特定技能への移行元 | 技能実習3号 |
出典:農林水産省「食品産業の特定技能外国人受入れ事例」(Lapita掲載のインタビュー記事)をもとに編集部が整理
従業員の約3分の1にあたる規模の技能実習生が働いており、外国人材が現場の主力として欠かせない存在になっていることがうかがえます。
2. 受け入れの背景:水産加工業ならではの人手不足
季節で魚種が変わるため、機械化が難しい
水産加工業は、時期によって扱う魚の種類が変わり、種類ごとに必要な加工方法も異なります。一年を通じて同じ製品を大量生産する業種と比べると、大規模な機械化が進めにくく、人の手に頼る工程が多く残ります。このことが、深刻な人手不足につながっています。
特定技能に期待された役割は「ラインの指導・管理」
同社が特定技能の3名に任せたいと考えていたのは、単純な作業の担い手ではありません。一つの製造ラインをしっかり指導・管理できる、社員レベルの業務です。そのため、能力開発の仕組みや評価制度についても検討を進めているとされています。
ここが、人手不足対策としての外国人採用を考えるうえでの大きなポイントです。
- 「作業要員」として受け入れる
- 「将来のリーダー候補」として育成を見据えて受け入れる
どちらの姿勢をとるかで、任せる業務や評価の仕組み、本人のモチベーションが大きく変わる傾向があります。
3. 特定技能外国人の勤務状況:「先輩」として現場を支える
技能実習時代の役割を引き継ぎ、管理業務を習得中
特定技能として働くスタッフは、担当するラインの管理業務を学んでいる段階とのことです。技能実習生の時期から、周囲の実習生を指導したりマニュアルを翻訳したりする「先輩」の役割を担っており、特定技能に移行してからもその役割が続いています。
また、仕事と生活の両面で後輩の実習生を気にかけており、企業側が実習生への対応について相談することもあるそうです。同じ国の出身で日本の職場を知る先輩が間に入ることは、外国人同士のコミュニケーションを円滑にし、現場の安定に役立つ可能性があります。
外国人材の意見が商品開発にもつながった例
同社では、外国人材の意見を取り入れて、ハラール対応の魚肉ソーセージを開発した実績があります。出身国のインドネシアでは販売していないものの、北米やマレーシア、シンガポールなどへ輸出しているとのことです。今後さらに海外での販売を広げたい意向も示されています。
外国人材は、人手の補充という側面だけでなく、食文化や宗教上の配慮に関する知見を商品開発や海外展開に活かすという可能性も示しています。
4. 定着を支えるフォロー体制の工夫
事例では、以下のようなフォロー体制が紹介されています。
| 取り組み | 内容 |
|---|---|
| 多言語表記 | マニュアルや工場内のポスターにインドネシア語を併記 |
| 日本語学習支援 | 毎週、ウェブ会議システムを使った日本語教室を実施 |
| 地域との接点 | 市内に350人以上のインドネシア人が暮らす地域特性を活かし、地域に溶け込みやすい環境がある |
| 地域行事への参加 | 地元の祭りや成人式などに、民族衣装や浴衣姿で参加 |
職場の取り組みと地域環境の組み合わせ
注目したいのは、職場内でのサポート(言語表記・日本語教室)と、職場外での居場所づくり(地域コミュニティとの関わり)の両方が揃っている点です。
もちろん、気仙沼市のように同じ国の出身者が多い地域は限られます。自社の所在地に同様の環境がない場合は、次のような工夫を検討するとよいでしょう。
- 近隣の外国人コミュニティや国際交流団体、自治体の窓口とつながる
- 地域の行事やイベントに、会社として参加を促す
- オンラインを活用して日本語学習の機会を提供する
こうした取り組みは定着の助けとなることが期待されますが、離職の防止を保証するものではありません。本人の希望やキャリアプランを丁寧に確認しながら進めることが大切です。
5. 特定技能外国人本人の声:責任感の変化とキャリアの展望
事例には、2014年に技能実習生として来日し、2020年8月に特定技能1号へ移行したインドネシア出身の女性のインタビューが掲載されています(勤務歴6年、掲載時点)。
要点を整理すると、次のとおりです。
- 母国の日系企業の工場で働いた経験があり、日本の働き方に慣れていた
- 文化や性格の違いはあるが、周囲に優しく受け入れてもらえていると感じている
- 特定技能への移行後、仕事への責任をより強く意識するようになった
- 今後は、指導の仕方やラインの管理に必要な知識を学びたい
- 将来は、日本で得た技術・知識・貯蓄を活かして、母国で食品製造の事業を興したいという希望がある
「特定技能になって責任感が増した」という声は、在留資格の切り替えと合わせて、役割や期待を明確に伝えることの意義を示唆しています。 一方で、将来の帰国や起業を考える人材もいます。企業側は、長期就労だけを前提とせず、在留期間の中でどう成長を支えるかという視点を持つことも重要です。
6. 事例から学ぶ、採用担当者向け5つの実践ポイント
この事例を参考に、食品・外食・農林水産業の現場で取り入れやすいポイントを整理します。
- 移行後の役割を具体的に描く
特定技能に移行する人材に何を任せたいのか(ライン管理、後輩指導など)を、事前に本人と共有しておきましょう。 - 能力開発と評価制度をセットで検討する
任せる業務が広がるなら、評価基準や処遇の考え方も整理しておくと、本人の見通しが立ちやすくなります。 - 現場の言語環境を整える
マニュアルやポスターの多言語化は、安全衛生や品質管理の面でも効果が期待できる取り組みです。 - 日本語学習を継続的に支援する
オンラインを活用した定期的な日本語教室など、無理のない形で続けられる仕組みを検討しましょう。 - 仕事以外の居場所づくりにも目を向ける
地域との関わりは、生活の安定や職場への愛着につながる可能性があります。
7. 育成就労制度への移行を見据えて
外国人材の受け入れ制度は、大きな転換期にあります。技能実習制度に代わる育成就労制度は、2027年4月の施行が予定されており、人材育成と人材確保を目的とし、特定技能1号の水準の人材を育成することを目指す制度とされています。
こうした流れの中で、事例のように**「技能実習(または育成就労)から特定技能へ」というキャリアパスを見据えた育成計画**を持つ企業は、今後ますます重要になると考えられます。
ただし、育成就労制度の詳細な運用ルールや対象分野、転籍に関する取り扱いなどは、今後も公的機関から順次公表される内容があります。最新の法改正情報については、出入国在留管理庁・厚生労働省・農林水産省などの公的発表をご確認ください。
まとめ:即戦力外国人材の採用と定着なら「スキルディッシュ」がおすすめ
水産加工業での受け入れ事例からは、次のことがわかります。
- 機械化が難しい業種では、外国人材が現場の重要な担い手になっている
- 特定技能への移行を機に、ライン管理や後輩指導など責任ある役割を任せることが検討されている
- 多言語表記、日本語学習支援、地域との交流など、職場と生活の両面からの支援が行われている
- 外国人材の視点が、商品開発や海外展開に活かされた例もある
制度の変化が続くなか、「採用して終わり」ではなく、受け入れ後の育成・定着までを見通した計画がこれまで以上に求められます。
食品・外食・農林水産業での外国人材の採用や、特定技能・育成就労への対応でお悩みの場合は、食品業界特化型 外国人材総合支援サービス「スキルディッシュ」にご相談ください。
💡 スキルディッシュをおすすめする3つの理由
- 現場理解・日本語能力を備えた「特定技能」即戦力人材が充実
食品・外食・農林水産の現場を理解し、一定の日本語能力を備えた特定技能人材を紹介する体制が整っており、現場への早期の定着が期待できます。 - 食品・外食・農林水産などの業界特有の労務・現場条件に精通
季節変動、シフト勤務、衛生管理、宗教・食文化への配慮など、業界特有の事情を踏まえた相談が可能です。 - ビザ申請・行政手続きから採用後の定着フォローまでワンストップ支援
在留資格の申請に関する手続きから、採用後のフォローまで、提携する有資格者・許可事業者と連携した一貫した支援をご案内します。
※在留資格(ビザ)の申請手続きおよび職業紹介は、法令に基づき許可・届出を受けた事業者・有資格者が実施します。ビザの可否は出入国在留管理庁等の審査機関の判断によるものであり、許可を保証するものではありません。
「技能実習生の今後のキャリアをどう描けばよいか」「育成就労制度への移行に向けて何から準備すべきか」「自社に合う特定技能人材を探したい」など、採用計画や制度移行に関するご相談を随時受け付けています。まずはお気軽に、スキルディッシュの公式サイトからお問い合わせください。


